サラリーマンの虚勢

【人生は】

 

これで良かったのかもしれないし

もしかしたらこれでは駄目だったのかもしれない

 

もしかしたらこれで精一杯だったのかもしれないし

いやいやまだまだ行けたのかもしれない

 

もっともっとうまくやれたのかもしれないし

もうこれ以上は所詮無理だったのかもしれない

 

人生は分からない

誰にも分らない

自分にも分からない

 

もしかしたらどこかに雲隠れしてしまったかもしれないし

いやいや精一杯虚勢を張ってこの場所に立っているのかもしれない

 

身を隠してしまうのか

それとも我慢して顔を晒して生き続けるのか

 

そんな風に

いったいどんな風に

生きて行くのか

 

すべてはお前の生き様で

すべてはお前の人生だから

出会いがあって

お前さえ遠ざからなければ

すべてはお前の目の前に雁首並べて揃っているのだから

それだけが髄一の人生での救いかもしれない

 

いつまでも いつまでも

お前さえ手を離さなければ

繋がっていられるのだから

 

人生は

無理をして、近づいて行けば、逃げていく

意識して、忘れようとすれば、追ってくる

そして、怖くなり、逃げ出そうとすれば、覆いかぶさってくる

人生はそのようなもの

 

もしかしたら結果には形などないのかもしれない

勝利にも形などないのかもしれない

 

敗者にも理由などなくて

勝者には美酒もない

 

もしかしたら私たちは、形のない空間の中を

形など本当はありもしないものを追いかけて

虚しく人生を擦り減らしているだけなのか

 

空虚の中で無を追いかけては

右にふらふら、左にふらふらしているだけ

存在するのは

誰かに愛されているという実感だけ

あるのは

誰かに頼られ愛されているという実感だけが

髄一の真実だとしたら

 

心の拠りどころは

誰かに頼られ愛されているという実感だけ

 

当たり前のことを当たり前にやっていれば

人生は

当たり前のように当たり前に過ぎていく

そして当たり前に終わってしまう

 

そんなものに形などないし

結果や勝利などもない

 

歩きたいときには両足を交互に動かすだけ

その他のことは何一つ考える必要もないのだから

 

暖かな布団で眠りたいのならば

暖かな布団を買わなければならないし

布団を買うために働かなくてはならない

 

見晴らしのいい高台の家に住みたければ

尚更一生懸命に働かなくてはならない

 

誰かに頼られ愛されたいと思ったならば

どんなに苦しくとも歯を食いしばって

愛する者の手を絶対に離してはいけないのだ

その手を離したとたんに

人生はますます空虚になって

そのうちに消えてなくなってしまうから

人生には初めから形などないのだ

 

人生とは それだけのもの

人の弱さとは

誰かに頼りたくなってしまう弱さだから

いつかそのうち白馬の王子が現れて私をこの世界から連れ出してくれると

考えてしまう

 

人生に形がないように

白馬の王子など空虚そのものなのだ

人生に白馬の王子など現れずとも

自分が誰かの白馬の王子になることは出来るのかもしれない

 

いくら会社を大きくして巨万の富を得ようとも

いくら粉骨割いて働いて出世し引退しようとも

そんなものは狭い世界だけでの話だ

砂上の城だ、虚栄の無だ

 

誰かの白馬の王子になれるのか

たった一人の人間の魂を救うことが出来るのか

生きる価値はそこにあるのだから

 

「ああ、早く、助けに来てくれ」と

今日も誰かが叫んでいるのだから

 

その為にはまず虚念を捨てて両足を交互に動かさなければならない

 

人生は

虚であり

空であり

無だ

 

誰もが血眼になって

形のないものを追いかけているに過ぎないのだから

誰もがそのうち死んでしまい

骨になって土に帰る

 

この世に移る、この両目でみえるものすべて

形などない

あるのは魂だけ

魂だけが、人の体を借りて

動いているだけ

 

このお墓は素晴らしい……

http://iganosato.com/



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